平成30年民法等(相続法)改正において、
特別の寄与の制度(民法1050条)が設けられました。
特別の寄与の制度とは、
亡くなった人に対して無償で療養看護その他の
労務の提供をしたことにより亡くなった人の
財産の維持又は増価について特別の寄与をした
亡くなった人の親族は、相続の開始後、
亡くなった人の相続人に対して、特別寄与者の
寄与に応じた額の金銭を請求できるとするもの
です。
たとえば、亡くなった人の息子の妻は、
相続人ではないので(相続人は亡くなった人の
息子)、
亡くなった人が残した相続財産には、
基本的は何の権利も今までありませんでしたが、
この規定により、息子の妻が息子の親の療養看護
に務めた場合には、息子を含む相続人に対して
金銭を要求できるようにしたものです。
リアルバリュー法律事務所では、まだ、この請求
を裁判上でする業務をしたことはありませんが、
調停などで、相手方から請求される案件は既に
何件かあります。
ただ、単に療養看護したというい抽象的な事実
だけでは、請求する金額なども特定しないため、
相手方に対して、家庭裁判所から、
寄与分の主張にあたっては、法律上の要件を
満たしていることの主張だけでなく、次の資料を
提出するように指導されました。
① 寄与分主張のポイント
寄与分の代表的な類型について、主張のポイント
を説明できる資料。
たとえば、
被相続人(亡くなった人)の症状、要介護状況に関する
資料として、
要介護認定通知書、要介護の認定資料(認定調査表、
かかりつけ医の意見書など)、診断書
療養看護の内容に関する資料として、
介護サービス利用票、介護サービスのケアプラン、施設
利用料明細書、介護利用契約書
入院期間が分かる資料として、医療機関の領収書
などなど。
② 寄与分主張整理表
下のような表の形式を使って寄与分主張整理票を
作成し、提出すること。