リアルバリュー法律事務所での解決事例です。

当事者の特定を避けるため、いつ頃の案件かが分からないように

年月日などは伏せます。

また、事案の本質を変えない程度に事実関係を変えてあります。

 

家の一部が隣地に越境していた案件です。

 

長いこと、越境している事実を隣地所有者が黙認している

状況にありましたが、隣地所有者が亡くなり、

土地を相続した相続人(以下「相手方」と言います。)から

越境している部分を撤去せよという要求が来ました。

 

相手方は、当初、撤去しないなら裁判沙汰にすると

息巻いていましたが

こちらが越境部分の土地を時効取得していると抗弁したところ、

相手方の方で越境した経緯や年数、事情など色々と調査した

のでしょう、越境している部分の土地を買わないかと、

言うことが変わってきました。

 

実は、建物が越境した部分の土地を時効取得したとしても、

その時効取得を登記するためには、

越境部分の土地を分筆して、分筆登記をし、

その分筆した土地に、

時効取得で所有者が自分になったという所有権移転登記

する必要があります。

そして、これらの登記をするには、

取得時効による所有権移転登記をせよという訴訟をして

勝訴判決を得なければなりません。

 

訴訟には、当然、時間と費用がかかります。

また、訴訟では、時効取得した部分を明確にするため

越境部分の測量をして、その図面を証拠として提出

するので、測量費用がかかります。

勝訴した後の登記費用などもかかることになります。

(これらの費用、特に測量費用は、70、80万円とか

かかったりします。)

 

そのため、どうせ裁判で勝訴しても諸費用がかかる

のなら、

裁判などせずに、越境部分の土地を相手から安く買った

方が良いとの結論になりました。

 

交渉の結果は、

分筆や登記などの費用をこちらが全て負担するので

越境部分の土地を無償で譲り受ける(贈与を受ける)

という内容に落ち着き、

この内容で和解して、裁判沙汰になることなく

終了しました。