当事務所には、他の事務所や無料相談センターなどで
一度相談した後に、
「相談した弁護士が不動産のことをよく知らない様子
だったので」と
セカンドオピニオンを聴きに来られる方が結構おられます。
(そのまま当事務所に依頼される方も多いです)
そんな例を挙げていきたいと思います。
共有物分割の訴訟案件で、弁護士にまかせきりにした結果、
後の祭りになったという相談案件です。
相談者によれば、
共有物である土地について、弁護士に依頼し、
最初は共有物分割調停を申し立てたが、
調停決裂したために、共有物分割訴訟となり、
この訴訟の中で、土地を2筆に分筆する和解をした
というものです。
土地の分筆の仕方については、相手方が土地家屋調査士に
依頼して図面などを作成したようだとのことでした。
で、和解した内容どおりに分筆し、
分筆後の土地を売ろうとして不動産業者に相談したところ、
「こんな土地は、売れないよ」と言われてしまったと
いうことでした。
すなわち、分筆した土地の行政上の用途地域は、
第1種低層住居専用地域であり、
指定建ぺい率が30%、指定容積率が50%であったところ、
分筆後の土地面積が小さいので、
小屋(小屋以下?)のような小さな建物しか建てること
ができず、建物を建てるという目的を果たすことが
できないし、
また、中途半端な広さであるため、駐車場などにしても
使いづらく、
せいぜい資材置き場くらいにしか使えないが、
高級住宅地とも言える第1種住居専用地域内で
資材置き場のための小さな土地を買う人なんかいない
だろうから、結局、売れない土地にしてしまったという
ことでした。
不動産業者からは、隣の土地の所有者に買ってもらう
以外に方法はないと言われたため、
隣の土地の所有者に話しを持ちかけたが断られたとの
ことで、
どうしたら良いでしょうかと相談されましたが、
それは、ちょっと(いや、かなり)遅すぎでしょうと
いうことで、やっぱりダメですかと、がっかりして
帰っていかれました。
不動産の専門家ではなくても、行政的要件の厳しい
第1種住居専用地域の土地を分筆して小さくしてしまったら、
売れない土地になってしまうということは予測がつく
ことが多いですが、
この相談者が依頼した弁護士は、そこまで深く考えることなく、
土地分筆の和解をしてしまったようでした。