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遠方の裁判所に訴えられた

リアルバリュー法律事務所での最近の解決事例です。
当事者の特定を避けるため、いつ頃の事件かが分からないように年月日などは伏せます。また、事案の本質を変えない程度に事実関係を変えてあります。

原告と被告が離れた地域に居住している場合などは、どこの裁判所で裁判するかが結構重要になってきます。
弁護士に依頼したとしても、交通費などは当然かかりますし、遠方出張で一日潰れるということになりますと、依頼された弁護士もそう簡単に期日に裁判所に行けるとは限りません。

そのため、裁判では、電話会議方式というのが認められています。
電話会議方式とは、遠方に所在する方が電話で裁判に参加するという形での審理方法です。

ただ、当事者尋問証人尋問は、当事者や証人が裁判所に出頭する必要があるので、全て電話会議方式で行えるわけではありません。

つい最近も、遠方の裁判所に原告が訴え提起した案件を被告当事者から頼まれました。

不動産の売買に関するもので、売買契約書には、売買した不動産が所在する地域の管轄裁判所に提訴するという取り決めになっていました。
そして、その不動産が所在する地域の管轄裁判所は、被告当事者が居住する地域の管轄裁判所でもありました。
なので、その裁判所であれば、被告当事者にとっては便利だったわけです。

ところが、相手の原告が自分の居住地を管轄する裁判所に訴えを提起してしまい、その裁判所は、被告の所在地から相当に遠い裁判所でした。

売買契約書で、裁判の管轄裁判所を定めている場合、2通りの解釈があります。
1つは専属的合意というもので、その裁判所以外には訴えできないという趣旨であるとするもの、もう1つは付加的合意いうもので、法律上可能な管轄裁判所のほかに、ここに訴えても良いという程度の趣旨であるとするものです。

裁判所の判例では、付加的合意と解釈するものが多いので、売買契約書などで裁判管轄の合意をする場合には、専属的ということを明確にしておかないと、裁判管轄の合意をした意味がなくなってしまうことがあります。

本件も、裁判管轄を取り決めていましたが、「専属的」という言葉がなかったために、付加的合意であると解釈される余地がありました。

そこで、本件は不動産の売買に関する訴訟であり、訴訟手続の中で、不動産に関する鑑定その他専門家の判断を要する可能性が高く、また、裁判所による現地見分の必要性が生じる可能性も高い等々、訴えを提起された裁判所が、自分のところで訴訟手続をすると相当に面倒になるかも知れないと思うようなことを、移送申立書意見書にいっぱい書いて、売買契約書で管轄裁判所と定められている裁判所に移送するように強く主張しました。

その結果、売買契約書に管轄裁判所と定められている裁判所に移送するとの決定が下され、被告当事者は、遠方で裁判手続をされることの余分な時間や費用を使わずに済むこととなりました。

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